スタッフからのコメント Staff Comments
労働者派遣をめぐる派遣元、派遣先と派遣労働者のトラブルのうち、最も多いものの一つに「仕事の内容が契約と違っていた」ということがあります。
この原因にはいろいろあり、派遣元が十分に説明しなかったり、誤って説明することもありますが、同時に、受け入れる方が契約にあたり仕事の内容を安易に考えていることが多いようです。
派遣労働者を受け入れるにあたって最も重要なことは「何を行ってもらうのか」です。すなわち仕事の内容を明確にすることです。
そのためには「職務分析」の技法と考え方が役に立つと思います。職務分析は賃金表の決定、職能資格制度をつくるときの基本的考え方でもありますが、「仕事の内容とそれに必要な条件を、主に観察と質問によって明らかにし、それを客観的に整理、記述する」ことです。
職務分析の基本は、一般につぎの2つの部分からなっています。
仕事(職務)とそこに含まれる課業を明らかにすることです。
仕事は、例えば「ワープロを操作して文書をつくる」などのいくつかの作業から出来上がっています。あるまとまりをもったいくつかの作業が課業です。
それぞれの課業に含まれる作業を、念入りに記述する。
客観的に、かつ正確に作成するため、次に留意して記述します。
1:どのような目的で、なぜ、どのようなことをするのか。
2:どんな装置、機械、道具などを使って、どんなやり方でするのか。
3:その仕事をするのは、どんな技能と水準(難易度)が必要か。
4:その仕事をする際、どんな仕事や人と接触するのか。
派遣を依頼するとき、とかく「コンピュータ業務」「会計業務」「調査」などと抽象的に仕事を示して、あとは実際に人がきてから考えようというのが多いのではないでしょうか?
単にトラブルを防止するためだけではなく、真に自分の事業所にふさわしい人材を確保するためにも「仕事の内容」を明確にすることがまず第一歩です。